脂質とケロイドの関係・3
肥厚性瘢痕中に多く含まれる「アラキドン酸」はオメガ6系の不飽和脂肪酸である、というところまでが分かりました。
そして不飽和脂肪酸は体内からは造られず、外から摂るしかないものである、ということも分かりました。
しかしなぜ、体に良さそうな「DHA」とか「EPA」のオメガ3系でなく、オメガ6系の成分が多いことになったのでしょうか。
・・・それは単純に、現代の環境においては過剰なほどオメガ6系を摂りやすい、と言えるからです。
まず、牛や豚などの食用の家畜類は、リノール酸(オメガ6)の多いコーンや大豆のような種子をエサとして食べます。その結果、リノール酸系列の脂肪酸を多く含むことになります。
加えてオメガ3系は熱に弱いため、現在食用として出回っている油に含まれる不飽和脂肪酸の成分が、必然的にオメガ6系主体のものになってしまうことも要因です。
製品としてはマーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、ファストフード、フライ、ツナの缶詰、スナック菓子などに多用されています。
オメガ6系の脂肪酸は過剰摂取するとアレルギー症状も過剰反応する、という報告もあります。
ケロイドは皮膚表面のことにのみ注意が行きがちですが、結局細胞は体の中から造られるので、自分の体に取り込むもの・・・口にするものにも少しだけ気をつけてみると、今までと違った治療アプローチができるようになるかも知れません。
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