汗と金属とケロイド
角質層の防護機能を果たす、重要な役割を担うのが前述した「皮脂膜」でした。
皮脂膜が造られる過程において、重要なプロセスの一つに「汗と混じり合うこと」がありました。
そこで今回は汗の成分と働きについて見ていきたいと思います。
汗の成分の大部分を占めるのは「水」です。水以外の成分では、NaCl(塩化ナトリウム)が約0.65%、尿素0.08%、乳酸0.03%です。
NaClは塩分そのものです。
しかしこの成分は一定ではなく、例えば運動して大量に汗をかいた時などは、NaClが0.9%に近づいていきます。これは血液の浸透圧とほとんど同じ数値です。どういうことかというと、私たちの体は通常、一度汗腺で作られた汗は、体外に分泌されるまでの導管の部分で、塩分が再吸収される・・・つまり塩分が外に出て行かないよう節約されているのですが、汗の量が大量になるとその再吸収が追いつかなくなるのです。
ケロイドがあることに気づきやすい部分として、首筋のデコルテ部や、女性であれば乳房周辺などが挙げられると思います。
これらの部分は汗をかきやすく、また日常的にアクセサリーやブラジャーが触れる部分でもあります。
アクセサリーとして広く一般使用されている金属として、加工しやすく安価であるニッケルが挙げられます。製品としてブラジャーの金具、ベルトのバックル、眼鏡のフレームなどに広く使われているため、アレルギーを起こす頻度が高く、女性の金属アレルギーによる皮膚炎では第一の原因となっています。
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