ケロイドにシリコンシート
シリコンシートはけが、手術後、やけどなどでできた様々なタイプの傷跡の
修復に適した医療用のシートです。基本的な使用方法は傷跡の大きさに合わせてはさみで切り取り、貼って置くことによって赤くなってしまった傷跡が目立たなくなります。長時間貼って置くことで効果が現れるものです。
粘着力や耐久性に優れ、柔らかく無色透明で厚さは非常に薄いものなので
はがれやすいという心配もなく、目立たないという利点もあります。
一度使ってしまったシートは洗い流すことによって繰り返し使用でき、
再生できるという点においても優れています。
このシリコンシートを使ったケロイドの治療方法は、エフシートやシカケアなどのシリコンジェルでできたシートを使います。この場合、保湿効果が作用機序の一つとされています。ジェルシート自体に粘着力があるため、しっかりと皮膚につき、また洗うことで再利用が可能です。
また、トリポロンというシートには薬効はないが、でこぼこを物理的に
平らにさせる効果があります。皮膚は環境に合わせて変形するので長期間使用すると効果があるようです。
しかし、シリコンシートにはいくつかの欠点があります。
それは、シートが傷口を覆いかぶすため、皮膚が蒸れてしまい、
皮膚呼吸ができなくなって適切な効果が得られないことがあるのです。
その欠点を克服するためにケロコートという皮膚コートジェルがあります。
これは人工の被膜を張り、圧力を加えて皮膚のでこぼこ感をなくすものです。
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傷跡からケロイドは発生する
けがをしたり、手術をしたりすると皮膚に傷がつき、そのあとに線維組織ができて治っていきます。この線維組織が傷跡です。傷跡は瘢痕とも言われます。
傷跡がしばらく経って、みみずばれの状態になることがあります。
これは、線維組織が過剰に生産されて表面に目立ってきたものです。
これを肥厚性瘢痕といいます。
この肥厚性瘢痕がいつまで経っても消えず、かえってどんどん広がって
ゆく場合があります。これがケロイドです。
つまり、肥厚性瘢痕は一時的なもので、自然と治ってゆくものであるのに対して、いつまでも消えずに増えていくのがケロイドです。
ここまでをまとめると、傷口が瘢痕組織によって治りますが、
その瘢痕組織が過剰にできた状態が肥厚性瘢痕であり、その生産のコントロールが失われ、無軌道に増殖を続ける状態がケロイドです。
次に、肥厚性瘢痕とケロイドの治し方を見てみましょう。
手術療法、放射線療法、ステロイド注射、ステロイド軟膏、圧迫療法、内服薬による治療などの治療法は肥厚性瘢痕には比較的効果的ですが、ケロイドにはなかなか効果がないことがあります。ケロイドには特効薬はありませんが、かゆみを抑えるレスタミン軟膏を用いながら、いくつかの治療法を症状に合わせて組み合わせていきます。手術療法は、以前は再発するとより悪化することがあったので敬遠されていましたが、他の治療法を併用することで、効果が期待できます。

ケナコルト注射
ケロイドの治療方法のひとつにケナコルト注射を注射する治療法があります。
ケナコルトと呼ばれる薬に傷跡の炎症を抑える効果がありますが、
ケナコルトにはステライドが配合されているため、ステライド注射とも言われ副作用が出てしまいます。
そのため一回の使用量が限られているため、大きな傷跡の治療には適しては
ないかも知れません。
またこの注射療法は常に激しい痛みを伴います。治療時間は約5分ぐらいでケロイドのできた部分に直接おこないます。ステライドが配合されているため、毛細血管が拡張することによって、傷跡の周辺の皮膚が薄くなることもあります。注射の効果としては傷跡の赤い盛り上がりはかなり改善される場合がありますが、注射した全員に効果があるものでもないようです。
この注射療法には賛否両論のがあります。傷がほとんどわからなくなり
効果的な治療だった。という意見や激しい痛みを伴ったわりには効果が現れなかった、前よりも状態が悪化してしまった。というような意見もあります。
一回のみの注射ではなかなか効果が現れないため、間隔を開けての数回の注射療法をされる方が多いようです。
注射後も激しい痛みや周辺の皮膚が薄くなる副作用がでるため、治療のリスクは多いと思います。
ケナコルト注射は花粉症や鼻炎に対しての症状にも効能があるといわれていますが、副作用が出るリスクを考えた場合では適した治療法とは言えないかも知れません

ケロイドを扱う病院
ケロイドを扱う病院は数多くありますが、大学病院などの専門病院にて多く扱われているようです。大学病院では専門スタッフがいて、専門の医療機器を多数備えていることが多いので、本格的な治療が期待できます。
治療方法としては、手術療法や電子線療法があります。手術療法ではケロイドを切除して縫い合わせます。
また、手術後に悪化しないようにするために手術後の後療法が必要です。
その方法として電子線療法があります。この電子線療法によってケロイドの再発生を防ぎます。また、医局としては外科での診察が多いようです。
特に形成外科や美容外科で多いようです。皮膚科でも診察があります。
形成外科とは、体の各部位の表面に機能異常を伴う形状異常がある場合に
これを治療する外科です。
つまり、治療対象が日常生活に不都合を生じさせるときに治療します。
また、美容外科とは体の各部位の表面の形状をより美的にすることを
目的にした外科です。すなわち美的な形成によって精神的な負担を排除する
ことが目的なのです。
皮膚科は、皮膚を中心に治療を行い、外用薬や内服などの内科的治療の
薬物療法に加えて、手術などの外科的療法も行います。
皮膚科でのケロイド治療法には、ステロイドの塗り薬や貼り薬、
トラニラストの内服、ステロイドの局所注射などがあります。
症状に合わせて医局を決め、もし医師が他の医局のほうが良いと判断したら、その判断に従うのがいいと思います。

ケロイドのレーザー治療
レーザー治療は色素レーザーや炭酸ガスレーザーを使用しておこなう最先端の高度な技術を駆使した治療法です。副作用が出る心配もなく、ケロイドの数ある治療法のなかでも治療効果の高い治療法でレーザー治療をされている方は数多くいらっしゃるようです。
様々なケロイドの傷跡の治療に適応していることや手術の治療法ではなかなか治せなかった傷跡、今までは治療が難しかった傷跡を修復させる(ほとんどわからないぐらい目立たなくなる)など利点が多い治療法でもあります。
例えば、炭酸ガスのレーザーをあてることで赤く盛り上がった皮膚を
消し、手術後には生まれ変わった新しい皮膚を再生できる効果もあります。
また、やけどなどでできてしまった顔や手足の傷跡にも効果があります。
このようにレーザー治療は利点も多く、優れた治療法ではないかと思います。
しかし、レーザー治療はケロイドの血管を破壊することが目的の治療ではありますが、可能性は低く、ごく稀ではありますが再びケロイドが発症してしまう場合があります。はっきりとした原因は定かでありません。このような場合は他の治療法と組み合わせることになります。
またレーザー治療のみでケロイドの治療を完全にすることは難しく
他の治療法と組み合わせることによって効果が期待できます。
レーザー治療は治療回数が多く、アフターケアも必要なため
長期間の治療が必要になります。

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